改憲阻止の闘志を燃やそう アベ政権の改憲策動に負けることなく
新聞投書欄は百花繚乱の趣き。多種多様で玉石混淆なところが面白い。時に、短い文章で深く共感する投書に出会うことがある。例えば、1月14日毎日新聞投書欄の「首相発言に闘志が湧いてくる」(会社員岡島芳彦)。「闘志が湧いてくる」が素晴らしい。多くの読む人を励ます内容となっているではないか。
「安倍晋三首相が年頭の記者会見などで、今夏の参院選で憲法改正を訴えると発言している。首相は、具体的に憲法のどこをどのように改正するのかという点までは言及してはいないようだが、特定秘密保護法で国民の知る権利を制限し、気に入らない報道には見境なく介入し、安全保障法制で憲法9条を骨抜きにした政府与党が目指す憲法がどのようなものかは、おおよそ察しがつく。」
「憲法改正を訴えるとは言うものの、具体的に憲法のどこをどのように改正するのかということは言わない」。この指摘は実は重要ではないか。「どこをどのように改正する」ことを言わずに、「どこでもよい。とにもかくにも、憲法を変える」という発言は、無責任でオカシイのだ。アベは、憲法の条文にも理念にも、頭から尻尾まですべてに反対なのだ。できることなら、日本国憲法を総否定することで「戦後レジームから脱却」し、大日本帝国憲法と同じ条文に変えることによって「日本を取り戻そう」としているのだ。しかし、それは望んでもできることではない。小ずるいアベは、次善の策として「どこでもよい。少しでも変えることのできるところから、憲法を変えていこう」と虎視眈々というわけなのだ。
これまでアベ政権のやってきたことは、何から何まで非立憲で反民主、そして反平和主義、人権軽視の最悪政治。この政権と与党が目指す改正憲法が、リベラルで民主的で平和を指向するものであるはずがない。そのダーティーな内容は、誰にも「おおよそ察しが」つこうというもの。
「80年ほど前、ドイツでは、ベルサイユ体制からの脱却をスローガンに掲げ、大規模な公共事業で失業者数を減らすことに成功したナチスが、熱狂的な支持を得て合法的にワイマール憲法を葬り去ったが、その手口を学ぶべきだったのは、安倍首相よりもむしろ我々国民の方だったのかもしれない。」
おっしゃるとおりだ。日本国民は、いまやナチスが政権を取ったその手口をよく学び心に刻まなければならない。「ベルサイユ体制からの脱却」とは、ドイツを取り囲む戦勝国への敵意を剥き出しに、報復をなし遂げることにほかならない。アベの歴史修正主義の信条にぴったりではないか。
ナチスは大規模な公共事業で失業者数を劇的に減らすことに成功したのだ。取り上げたユダヤ人の財産の配分という実益も小さくなかった。こうして、ドイツ国民は熱狂的にナチスを支持した。かつての臣民が、熱狂して天皇と軍部を支持した如くにである。そして、3度の選挙と国会放火という謀略で、全権委任法を成立されることによって、ワイマール憲法を葬り去った。この手口は、アベノミクスで国民の集団的自衛権を取り付け、緊急事態条項を憲法に入れることによって憲法の構造を変えてしまうことによって、模倣が可能となる。われわれは、ドイツの歴史に学んでその轍を踏むことのないよう国民全体が賢くならねばならない。
「首相は先日、『批判を受ければ受けるほど闘志が湧いてくる』と発言していたが、私は『戦後レジームからの脱却』『憲法改正』という首相の発言を闘けば聞くほど、闘志が湧いてくる。」
よくぞ、言ってくれた。アベが改憲の闘志を湧かすなら、国民の側はそれにもまして改憲阻止の闘志を燃やそう。立憲主義、民主主義、平和主義、そして人権尊重の日本を創るために、アベとその取り巻きに負けない闘志を燃やし続けよう。
さて、闘志を燃やして、どう行動に移すか。投書子は、毎日新聞に投稿した。どんな場でも、黙っていないで「改憲阻止」「反アベ政治」を口に出そう。文章に綴ろう。果敢に人に伝えよう。集会にも足を運ぼう。そして、明日からは宜野湾市長選挙だ。八王子市長選もある。全国からの選挙支援の具体的方法はいくつもある。闘志さえあれば。
(2016年1月16日)